ヤマハエレクトーン演奏グレード その②
前回の①からの続きです。
未知数のヤマハエレクトーン演奏グレード受験までのお話。
受験すると決まった時に先生に言われた第一声が確か
「さとこ、即興は得意?」
でした。
もともとコード譜での即興演奏はピアノは授業でやっていましたけど、エレクトーンではほぼやっておらず、どちらにしても
超苦手
でした。
なのでその日から即興の猛特訓。
ちなみにブライダルとかラウンジで演奏するポピュラー曲は大体このようなコード譜を用意してその場でアレンジして演奏します。
要するに簡単な即興の連続みたいな感じです。
基本、メロディにコードが振ってあるだけの楽譜で、このような基本コードのみの楽譜でもコードに抵抗ない、フェイク得意という人なら特にがっつりレッスンを受けなくてもできるんでしょうけど、私は慣れてないしそれまでちゃんと勉強したこともなく、そういうのはすごく苦手なので猛練習しました。
お陰様で現役奏者の頃は無意識でもコードで演奏できるくらいになりましたけど、今管理人が弾けと言われたらどうかな…。
転回とかテンションコードとか混乱するかも。
コードをそのまま弾くとベースがおかしくなったりカウンターメロディーが入れられないので基本は転回して自然なコード進行になるように演奏します(って偉そうに書いてますが、ごくごく基本でちょっと訓練すれば誰でもできることです)。
1本の披露宴で演奏する曲は20~30曲あり楽譜の量が凄いので、いちいちちゃんとしたものを用意してると物凄い量になってしまうんですよね。
1日2本の披露宴を掛け持つことも珍しくないので、楽譜はなるべくコンパクトにまとめるのが必須でした。
piascoreのような便利なアプリがあったらだいぶ違ったでしょうが、当時は完全アナログでしたし、大体リクエストに沿った曲を用意するので暗譜で演奏することは慣れた場面の持ち曲以外ではほぼありませんでした。
さて話を戻して、当時のヤマハのグレード試験科目は記憶を辿ってみると
⚫︎課題曲(指定2曲から当日1曲指定)→音源も作成
⚫︎自由曲(任意の3曲から当日1曲指定)→サポート演奏機能付きは不可
⚫︎初見演奏
⚫︎即興演奏A(楽曲アレンジ)
⚫︎即興演奏B(モチーフアレンジ)
こんな感じだったと思います。
苦労したのは下2つの即興AB。
Aは1コーラス16小節の短い曲を当日渡されて、その場でイントロエンディングを作って3コーラス(3アレンジ)演奏するもの。
Bは2小節くらいのモチーフを与えられ。それも元にその場でイントロエンディング付き1コーラスにアレンジして演奏するもの。
何拍子のどんなものが来るかわからず、エレクトーンで事前に何パターンかリズムと音色を作ったものをフロッピーに入れて備えます。
とにかくB即興のモチーフアレンジが嫌で嫌でしょうがなかったんですけど、当日は何かが降りてきたのか、うまいことスルスルとアレンジメロディが浮かんできて、なんとかスムーズに演奏できました。
ちなみにA即興のイントロは私は絶対に循環コード(簡単な1625進行を使ってました)で乗り切る、と決めていたので、楽譜を見てから何度も頭の中で反芻したせいか、20年経った今でも鮮明にB即興課題のモチーフを覚えています(笑)
試験は当時の先生の猛特訓のお蔭様で一発合格することができました。
いやほんと、なんだかアウェイ感もすごくて緊張しまくりました。
即興はブライダルやラウンジ奏者をやる上でとーっても役に立ったので、勉強して本当に良かったと思います。
とはいえもう半分くらい忘れましたけど。
でもやっぱり私はクラシックが好きだなーと再認識するキッカケにもなったのでした。
で、上記の言葉とは矛盾するようになりますが(笑)
次の本番では珍しくポピュラー2曲を弾く予定でいます。
「アムステルダムの運河にて」
「4月のパリ」
2曲弾いても7分以下。
「4月のパリ」はトレネの曲をワイセンベルクが超絶アレンジしたやつを耳コピしたもの(の楽譜をいただきました)で、とっても素敵な曲なんですが超絶むずかしいので、ちゃんと弾ける気がしません。
こちらの動画の曲です。ワイセンベルク本人による演奏。28秒くらいから始まります。
パリの風を感じ胸に響くステキな曲です。
ぜひ一度お聴き下さい。
いつか皆さまにご披露できるよう頑張ります。
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